5分でわかるTPP交渉の経緯

環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する日米を含む12カ国は5日、米ジョージア州アトランタで開いていた閣僚会合で大筋合意に達しました。
12カ国は為替など幅広い経済問題で協力していくと表明し、世界経済の40%を占める巨大な自由貿易圏の誕生に向け前進しました。
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・TPPとは?
TPPの母体は、P4協定(環太平洋戦略的経済連携協定)というものです。参加国は、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国です。そこに、アジアへの輸出を増やしたいアメリカが目をつけ、TPPは発足します。
その後、自由貿易協定で遅れを取っていた日本も参加を表明します。アメリカと共に、世界を代表する経済協定のルールづくりをしていきます。
・なぜTPP交渉は難航した?
TPPは、大きく2つの分野で協議されてきました。1つは、加盟国の間で、関税を撤廃することです。もう1つは、国境をまたいだ経済ルールを統一することです。
現在は、国によって経済ルールや規制が違うため、企業はどの国にどんなルールがあるかを把握するのが難しいです。もしTPPで統一のルールができれば、12カ国での経済活動しやすくなります。
TPPには先進国や新興国、社会主義国など、様々な国が参加しています。FTAだと2国間の協定なので、各国の思惑を反映できて、交渉しやすいです。しかし、12カ国全員の利益になる妥協案が必要なため、TPPの交渉は難航しました。
・TPP交渉の結果とは?
特にアメリカと日本の交渉でポイントになっていたのが、自動車と農作物です。2013年から交渉をしていましたが、ずっと合意できずに現在に至りました。
日本は自動車を売りたいので、アメリカが妥協してくれることを狙い、アメリカは農作物を売りたいので、日本の妥協を狙い、ずっと平行線でした。
結果、アメリカは自動車部品の8割以上は即時関税を撤廃し、完成車は、段階的に関税を下げていき、25年後に撤廃することで合意しました。日本は、牛豚肉の関税引き下げと、バター、米、小麦の輸入拡大で合意しました。
日本がTPPに積極的に関わることで、中国のAIIBを牽制できたり、多国籍企業が進出しやすくなるということで、賛成する意見があります。
その一方で、自由貿易で輸入が増えると、米価が下がり、日本の農家に大きな打撃があるとして反対する意見もあります。
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その一方で、自由貿易で輸入が増えると、米価が下がり、日本の農家に大きな打撃があるとして反対する意見もあります。