戦後70年安倍談話と村山談話の違い

政府は14日、戦後70年談話を安倍内閣のもと閣議決定しました。
談話では、日本が先の大戦への「痛切な反省と心からのおわび」を表明した歴代内閣の立場は揺るぎないと強調し、日本の国際復帰を支えた国や人への感謝を述べました。
今後も積極的平和主義の下に国際貢献を進めると同時に、次世代に謝罪を続ける宿命を背負わせない考えを示しました。
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・村山談話とは?
村山元首相は、1995年に戦後50年談話を閣議決定しました。
村山談話は、過去の日本の「植民地支配」を認め、「侵略」によりアジア諸国に多大な損害と苦痛を与えたことに「痛切な反省と心からのお詫び」を率直に述べたものです。
この村山談話の立場は、小泉純一郎内閣の戦後60年談話にも引き継がれ、20年にわたって定着していました。
・安倍談話は村山談話を引き継いだか?
今回の安倍内閣による戦後70年談話で、村山談話の立場を引き継ぐかどうかが注目されていました。
安部首相は村山談話を引き継いだ内容であると強調しましたが、実際は村山談話とは全く異質なものとなっています。
・安倍談話と村山談話の違いとは?
村山談話にあった「侵略」や「植民地支配」といった言葉を使ったものの、「日本が過去に侵略や植民地支配をした」という文脈では使っていません。あくまで、植民地支配をなくしていきたいと述べているに過ぎません。
また、「痛切な反省と心からのお詫び」も使われましたが、アジア諸国への直接的な謝罪という文脈では使われませんでした。これまでの首相がこの言葉を繰り返し表明してきたという事実を述べただけでした。
このことは、いままでの日本政府の過去に対する基本的な姿勢を根本から疑わせ、国際社会における日本の立場が危うくするのではないかという意見があります。
また、日本は過去に侵略も植民地支配もした事実がないため、それらの文言を盛り入れたことに対する反対意見もあります。
それに対して、中国や韓国、アメリカに対する配慮もしつつ、侵略戦争はなかったとする歴史認識にも配慮した談話であると評価する意見もあります。
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