5分でわかるシリア難民問題

公開日: 2015年9月7日 国際



内戦中のシリアからの難民が欧州に押し寄せている問題で、ドイツ政府は7日までに、80万人の難民を受け入れる意向を表明しました。

オーストリア内務省によると、ドイツ南部のミュンヘンには6日、1万2000人を超す難民が到着しました。一方、イギリスのキャメロン首相もキャンプで暮らすシリア難民、約1万5000人をさらに受け入れる方針だと伝えました。



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・内戦の発端は?

中東における内戦の発端は、2001年9月11日にアルカイダがアメリカで起こした同時多発テロでした。このテロで3000人以上の犠牲者がでました。

アメリカは、これをきっかけに、「テロとの戦争」を宣言しました。そして、アルカイダの指導者を引き渡さなかったアフガニスタンのタリバーン政権を攻撃しました。

ちなみに、アルカイダはアメリカ(CIA)が援助したイスラム義勇兵がもとになっています。彼らは、1979年にアフガニスタンに侵攻したソビエト連邦に、対抗するための兵士でした。



・IS(イスラム国)の経緯とは?

翌年アメリカは、「大量破壊兵器で攻撃する恐れ」があるイラク・イラン・北朝鮮の3国を「悪の枢軸」と呼び、経済制裁を行いました。

そして2003年、アメリカはイラクのサダム・フセイン政権を「大量破壊兵器の開発」を理由に攻撃しました。フセイン氏の処刑後、大量破壊兵器を開発していなかったことが判明しています。

イラク戦争をきっかけに、イラクでは内戦が起こります。アルカイダ系組織は、フセイン政権によって抑えられていましたが、内戦をきっかけに勢力を広げていきました。結果、IS(イスラム国)などの過激派組織があらわれます。



・シリア難民の経緯とは?

シリアでも同様に内戦が勃発しました。アサド政権軍、反政府穏健派、IS、アルカイダ分派「ヌスラ戦線」、クルド人勢力の5つが戦闘を展開しています。

欧米諸国は反政府穏健派を支援し、ロシアはアサド政権軍を支援しています。2014年には、アメリカが対IS空爆をイラクとシリアで行なっています。

ISやアルカイダの戦闘により混乱に陥っているシリアでは、たびたび市民の大量虐殺が起こっています。市民は自分たちの命を守るため、次々とシリアからの脱出を目指しています



・シリア難民の現状は?

シリア難民は、約400万人で、トルコだけでも200万人近い難民が流入しています。

しかしトルコ政府は、難民の受け入れに40億米ドルも費やしており、最低限のニーズを満たすだけの体力はありません。なので、難民の多くは国境付近で追い返され、受け入れられてもキャンプで極貧生活を余儀なくされます

そこで、ヨーロッパで最も経済力のあるドイツが受け入れを表明しました。しかし多くの難民が、ドイツまで移動する途中で命を落としています。海では遭難や沈没をし、陸では道中で倒れる者が後を絶たないです。



難民のほとんどがイスラム教徒です。ISや銃の乱射事件などでイスラム教徒に対する偏見を持っている人が多いです。日本国民が、イスラム教を十分に理解していないと混乱をまねくため、受け入れ反対の意見があります。

また、難民は移民とは違い、戦争や周辺の環境によって迫害した人々であるため、先進国として受け入れるべきであると賛成する意見もあります。



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