ギリシャが経済破綻した理由

公開日: 2015年7月2日 国際


ギリシャ政府は、IMF(国際通貨基金)が融資した15億4000万ユーロ(約2100億円)を6月30日の期限までに返済しなかったため、事実上のデフォルトに陥りました。

IMFの返済を延滞したのは、先進国では初となります。EUなどによるギリシャへの金融支援も7月1日に失効しました。これにより、約72億ユーロ(約1兆円)の融資枠が消滅されました。



スポンサーリンク



・なぜ融資が必要になった?

ギリシャでは2009年、NDからPASOKへに政権を交代して、長年の財政赤字が発覚しました

翌年からPASOKのパパンドレウ政権の下で、IMFやEU、ECB(欧州中央銀行)からの融資と引き換えに、緊縮財政が開始しました。緊縮財政により、国民の生活は困窮しました。

4年間でGDPは4分の1がなくなり、平均賃金は40%も下降、2009年に9%だった失業率は25%、若年層の失業率は約50%になりました。



・ギリシャは今どうなっている?

そこで、今年1月25日のギリシャ議会選挙で、緊縮財政の見直しを掲げた急進左派連合(SYRIZA)が第一党になりました。翌日、SYRIZAのアレクシス・チプラス党首が首相に就任しました。

しかし、SYRIZAに投票したギリシャ国民は、30%超に過ぎません。緊縮疲れからの反緊縮財政の国民がいる一方で、どうすればいいか迷っている国民もいます



・なぜデフォルトに陥った?

2009年に深刻な財政赤字が発覚したとき、ギリシャには2つの選択肢がありました。1つは、第三者にお金をもらうこと(ベールアウト)、もう1つは、自分たちでお金をどうにかすること(ベールイン)です。

ギリシャが選んだのはベールアウトでした。2010年、IMFやEUといった公的金融機関からお金を借りました。

しかし、ギリシャの債務は既に返せない額になっていました。返せる額なら先延ばしてもいいが、お金を返せないのに借りているので、借金は増えていく一方でした。そして最終的に、デフォルトになりました。



・ギリシャはどうすればいいのか?

ギリシャは、債務を返済できないので、下げてもらうしかありません

しかしECBは、ユーロをいくらでも刷れるはずなのに、ギリシャの債務を減免することを拒絶します。これは、経済規律を重視するドイツがギリシャの債務減免に反対しているためです。

そこでIMFが入って、ギリシャの債務減免を呼びかけました。ただ融資の多くは、ギリシャを助けるものではなく、お金を貸しているドイツ・フランスの銀行を助けるものでした。



経済からきたストレスが政治に影響与えて、EU全体の連帯感がなくなることで、EUが崩壊することを危惧する立場があります。実際、ルールを違反したギリシャをEUから締め出す動きでてきています。

それに対して、ギリシャ以外のEU諸国の結束はあり、今回はあくまでギリシャの問題に過ぎないとする立場があります。



スポンサーリンク
  • ?±??G???g???[?d????u?b?N?}?[?N???A