「食料自給力」を新指標にした理由
公開日: 2015年2月13日 政治
農水省は13日、農政の中長期的な指針となる「食料・農業・農村基本計画」の骨子案をまとめました。
現在、食料自給率を50%にすることが目標となっているが、その目標を実現できる設定にまで引き下げることが決まりました。
同時に、新たな指標として、潜在的な食料生産能力を示す「食料自給力」を提示しました。政府はこれに基づいて、食糧安全保障の確立に向けて動いていきます。
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・食料自給力とは
食料自給力とは、もし戦争などで輸入が途絶えたとしても、国内でどれだけ食料を生産できる力があるのかを示す指標です。
今ある国内の農地を最大限活用して、国民の生命と健康を維持するための供給可能なカロリーを試算します。
・なぜ食料自給力?
民主党政権では、食料自給率をカロリーベースで50%に引き上げることを目標として、農業計画をすすめていました。しかし、食料自給率は約40%程度で推移しており、目標との間に大きな開きがあります。
そこで安倍政権では、食料自給率が低下したとしても、食料自給力が十分ならば食料安全保障を確保できるとして、指針を変更したのです。
先の大戦では、戦争が進むにつれて食料不足に陥っていきました。そこで、国内のあらゆる農地を活用して家庭菜園が行われ、米よりも比較的に簡単につくれる芋や蕎麦が活躍しました。輸入が途絶えたときのためにシミュレーションをしておくのです。
安倍政権が推進しているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加によって、食料自給率の低下が懸念されています。外国からの安価な農作物に押されて、農業の担い手が減少することを問題視する意見があります。
それに対して、食料自給率が低下しても、強い農業となり、世界中に日本の農作物を売るべきという意見もあります。
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