中国がアジアインフラ投資銀行をつくる理由

公開日: 2015年4月19日 国際 社会


中国財務省は11日、中国主導で設立準備がすすんでいるAIIB(アジアインフラ投資銀行)に57カ国の参加が決まったと発表しました。

日米が主導で67カ国が参加しているADB(アジア開発銀行)に迫る規模となります。参加意向を表明していた台湾と香港は、中国の独断で創設メンバーからの除外が決まりました。



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・IMFとは?

1944年7月、連合国44カ国が、米国のニューハンプシャー州ブレトンウッズに集まり、第二次世界大戦後の国際通貨体制に関する会議が開かれ、IMF(国際通貨基金)協定などが結ばれました。

IMFは、金だけを国際通貨とする金本位制ではなく、ドルを金とならぶ国際通貨としました。これにより、世界の基軸通貨ポンドからドルに変わりました。



・中国の発言権は?

IMFの運営方針を決める投票権は、各国の出資額に応じて配分されます。IMFは、経済成長著しい中国など新興国の発言権強化のために、これらの国の出資比率を増やし、投票権比率を引き上げる改革を2010年に承認しました。

しかし中国の出資比率拡大と米国の影響力の相対的低下を嫌う米議会が手続きを取らず承認していないため、改革は5年たった今も進んでいません



・なぜAIIBを設立した?

そこで、中国が主導となってアメリカ抜きですすめているのが、AIIBです。世界において占める人民元の地位をあげることを目的しています

IMFの決済通貨がドルであるように、AIIBの決済通貨は人民元となります。中国を始めとするG20がIMFの改革をすることは、アメリカの権益を削ぎとって、中国がそれなり力を占めていくことを意味しています。

そのために中国は、アジア中にインフラ投資をするAIIBを設立したのです。



中国が好き勝手に融資先を決めるかもしれない状態では、税金から資金を出す以上、納税者に説明がつかないと意見があります。

対して、中国の取り組みは既存の秩序を破壊するものではなく補完するものとして、参加を検討すべきという意見もあります。



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